エローラ石窟群

2018/04/21

3月23日(金)、アウランガーバードは2日目ですが、もうこの日は帰国の途につく日です。朝は帰国の準備をしてホテルチェックアウトします。

エローラ石窟群はアウランガーバード市内からは30km程度なので、100kmあるアジャンター石窟よりはずっと近いです。34の石窟が、シャラナドリ台地の垂直な崖に掘られており、5世紀から10世紀の間に造られた仏教ヒンドゥー教ジャイナ教の石窟寺院や修道院(あるいは僧院、僧坊)などから構成されています。

仏教寺院(仏教窟)の数は12窟で、石窟寺院群の南端に位置する第1窟から第12窟がそれにあたります。ヒンドゥー教寺院(ヒンドゥー教窟)は第13窟から第29窟までの17窟、北端に位置する第30窟から第34窟までの5窟がジャイナ教の寺院(ジャイナ教窟)となっています。それぞれ石窟は近接している上に作られた時期も重なっているとか。


ダウラターバード砦

エローラ石窟群に行く途中、アウランガーバードを立って30分程度でダウラターバードという砦が見えてきます。一応インド3大砦の一つらしく、建設当時はインド最大のものだったようです。それなりに見どころもあるようですが、ここは高台の道路脇にバスを停めて、ちょっとだけ降りて遠目から写真撮影するだけです。

 
あそこから眺めたら眺め良さそうですね。

 
赤い塔のチャンド・ミナール


エローラ石窟へ

ダウラターバードを過ぎるともう20分程度でエローラ石窟群に到着です。ここは石窟群のすぐ傍に駐車場があります。それも最大の見どころである第16窟、カイラーサ・ナータ寺院の近いところに設けられています。

 
ここでもハヌマーンラングールが迎えてくれました。

 
しかしそのハイライトのカイラーサ・ナータ寺院は後の楽しみにして、少し距離の離れたジャイナ教窟を見学するためシャトルバスに乗ります。地球の歩き方などにはオートリクシャで行けとか書いてありましたが、1台も止まってませんでした。シャトルバスができたので、オートリクシャは入って来れなくなったのでしょうか。


ジャイナ教窟

シャトルバスを降りて数分。ジャイナ教窟である右から第32窟33窟34窟が見えてきました。

 
ここは32窟の入り口。ここから入ります。ここから見た感じでは分りませんが、32窟は非常に奥行が深いのです。

 
門を入ると直ぐに 前庭に四面堂(チャトルムカ)があります。全然規模は違いますが、ちょっと構造がカイラーサ・ナータ寺院に似ているので、小カイラーサ・ナータ寺院とも呼ばれるようです。四面堂の内部には、ティールタンカラが祀られており周囲を回れます。ティールタンカラとはジャイナ教の救済者・祖師で、現世において24人のティールタンカラが出現し、その最後のひとり(24人目)がジャイナ教の開祖マハーヴィーラであるとされています。

 
象の像。このあたりもちょっとカイラーサ・ナータ寺院っぽい。

 
本殿のファサードです。彫刻もなかなかのもの。

 
これはティールタンカラの座像。裸なのは無所有の象徴です。

ここで一つ注意が必要なのが、いろいろなサイトや解説書によって像の説明が異なっています。この像をはじめ多くの座像、立像はジャイナ教開祖マハーヴィーラだと説明しているサイトが多いです。テレビの番組でもそう言ってました。

聖者とか預言者とか救済者と呼ばれる人が沢山いて、開祖はその中の一人だ、または最後の人だという考え方をする宗教は沢山あります。勿論開祖の弟子がそのように呼ばれる場合もあります。いずれの場合も開祖は他の聖者などとは別格だと思うのですが、ジャイナ教の場合マハーヴィーラとそれ以前のティールタンカラでは扱いの差が大きくないように思いますね。

マハーヴィーラもティールタンカラの一人なのですから、ティールタンカラだと言っても勿論間違いではないのですが、24人のティールタンカラの誰かなのか、その中の特定のティールタンカラなのか、マハーヴィーラの像なのかは大きいな違いがあるように思うので、私は基本的にティールタンカラの像として扱います。

 
ティールタンカラ像以外に多いのが、獅子に乗る女神、及びそれと対になる象に乗る男神です。これらは必ず対で置かれています。女神は樹精ヤクシーであるとも言われています。

オッパイ部分がテカっているのは、勿論皆が触っていくからです。どこの国でも同じですね。

 
そしてこれが女神と対になる象に乗る男神です。こちらはヤクシャー(夜叉)であると言われています。ここは皆さんお腹を触っていくのか、ここがテカってますね。

 
ティールタンカラ像はこのような立像も非常に多いです。苦行を表しているのです。

 
このように蔦が絡まった立像も見受けられますが、これはティールタンカラではなく、第一ティールタンカラの次男とされる聖者ゴーマテーシュヴァラであると言われています。

 
こちらの男神像はいろいろな所がテカってます。触りやすいからでしょうか。頭の上にあるのはマンゴーだとか。

 
上記男神像と対になる女神像です。

 
こちらは32窟の2階部分です。ティールタンカラの立像、座像が壁や柱に沢山彫られています。

 
天井には蓮の花が。蓮の花は仏教でもヒンドゥー教でも神聖視されていますね。

 
32窟と33窟は2階で繋がっていて、こちらは33窟の2階部分です。柱の彫刻が32窟と違います。

 
また33窟は圧倒的に座像が多く、殆ど立像がありません。

 
33窟のファサード。ジャイナ教窟の見学は正味20分強です。

 
またシャトルバスで出発点に戻ってきました。他のインド人観光客もいます。ジャイナ教窟の見学は正味20分強でしたが、シャトルバスの往復などもあって、既に50分を費やしてしまいました。向こうに見えるのはカイラーサ・ナータ寺院。しかしやはりそこは後にして仏教窟へ向かいます。


仏教窟

仏教窟は第10窟から。ここはそのファサード

 
仏教窟ですがが、このように男女の浮彫があるのがインドならでは。

 
エローラ石窟の仏教窟は全部で12ありますが、チャイティア窟はこの第10窟一つだけ。5つチャイティア窟があるアジャンター石窟と違うところです。作成の時期が重なるアジャンター石窟の後期窟と同様ストゥーパには仏像も彫られいます。

 
やはりアジャンター石窟の後期窟と同様、木造のチャイティアを模してなどが再現されています。

 
作成時期が新しいせいか、ストゥーパの仏像も憂いをたたえていて、芸術性が高いです。

 
2階もあってしっかりとしたベランダもあります。このベランダから中も見れるので仏塔と見下ろすことができます。

 
インド人観光客。

 
10窟より向こう(9窟から1窟)は時間がないのでパス。

 
こちらは隣の11窟。後述する12窟同様アパートのような3階建てですが、こちらの見学もパス。

 
ぱっと見、11窟と似ている12窟の入り口です。

 
本当にアパートみたいですね。ヴィハーラ窟であることがよく分かります。

 
中にはいると仏像が沢山あります。

 
こちらは2階。ベランダは柱も壁も装飾はなく、無味乾燥です。ヴィハーラ窟ですからね。

 
それでもやはり中に入ると仏像があります。

 
こちらは3階。中の仏像の数は3階が一番多いです。

 
下に降りてきたら、このインド人観光客に一緒に写真を撮ってと言われました。この旅行でインド人側から一緒の写真撮影を依頼されたのは初めてです。日本人が珍しいのでしょうか。

結局仏教窟は第10窟と12窟のみの見学。時間がないので仕方ありませんが、ちょっと残念。


ヒンドゥー教窟

見学はしませんでしたが、第13窟と14窟。ここはもうヒンドゥー教窟です。

 
この上は第15窟ですが、ここもパス。


カイラーサ・ナータ寺院

さて最後にお楽しみの第16窟、カイラーサ・ナータ寺院です。この旅行の最大のハイライトとしていたものです。ただもう11時半。あとどれくらい時間を取ってくれるのか不安でしたが、15分ほどシャルマンが案内をして、その後30分自由時間をくれました。全部で45分時間をとってくれたということです。

 
手前の塔門をくぐります。

 
最初にガジャ・ラクシュミーが訪問者を出迎えてくれます。蓮華の台座の上で足を組んだラクシュミー(吉祥天)が2匹の象に両側より水をかけられている(灌水) 様子です。ラクシュミーはヒンドゥー教の女神の一柱で、美と富と豊穣と幸運を司り、ヒンドゥー教の最高神の1人ヴィシュヌの妻とされています。

 
そして右の方に目を向けるとシヴァ神妃パールヴァティーが仲良く並んで立ってます。ヒンドゥー教の特徴は男女が普通に並んで祭られていることですね。

 
こちらもシヴァ神と妃パールヴァティー。その上にアプサラーが舞っています。シヴァ神とパールヴァティーのツー・ショットはカイラーサ・ナータ寺院内のいたるところにあります。

 
カイラーサ・ナータ寺院ではこのスタンパの精巧さも特徴的。ナイディー堂の両脇に2つあってこちらは北側のものです。

 
本殿の周りは回廊のようになっていますが、一部が2階建てのランケーシュワラ寺院という付属の寺院なのです。

 
高さ33mの本殿。この中に後述するシヴァ神の象徴リンガが安置されています。

 
本殿などの基壇に彫られた「宇宙をささえる象たち」。この寺院がシヴァ神の住まいであるとともに全宇宙であることの象徴なのです。それらの間にも神々が彫刻されています。

 
象だけなく、獅子もいますね。一緒に支えている訳ではなさそうですが。

 
カイラーサ山を揺るがす魔神ラーヴァナ。ラーヴァナはインドにおける魔王の1人。叙事詩『ラーマーヤナ』に登場するラークシャサ(羅刹)の王で、ランカー島(セイロン島)を本拠地としてラークシャサ族を治めます。10の頭、20の腕と銅色の目、月のように輝く歯と山のような巨体を持つとか。

 
前殿の全景です。下の方に後述する叙事詩『ラーマーヤナ』の浮彫が見えます。

 
寺院の外壁には、いたるところにシヴァ神にまつわる逸話が彫られていますが、これは前殿の外壁に彫られた最も有名な叙事詩『ラーマーヤナ』の浮彫です。

 
前殿から中に入ってみましょう。柱にも様々な彫刻が施されています。このホールは拝殿とも言われています。奥の方が本殿になり、少しリンガが見えます。

 
これがこの寺院のいわばご本尊であるシヴァ神の象徴リンガです。結構でかいです。

 
本殿(前殿)側からみたナンディー堂の上部。

 
そしてナンディー堂の名の由来は、シヴァ神に仕え、本殿を向いてひざまづいているナンディー牛が安置されているからです。

 
南側スタンパとナンディー堂。

 
塔門の両脇にはちょっとしたテラスがあって、そこから眺めた寺院の北側です。

 
こちらはその南側テラスから見たもの。カイラーサ・ナータ寺院の最も代表的なアングルです。ナンディー堂、南側スタンパ、前殿、本殿などカイラーサ・ナータ寺院のほぼ全体が見渡せます。また周りの岩山も見渡せるので、これを彫り抜いたのだということが分かります。しかしこれを見ると、人間の手だけで岩をくりぬいて作ったとは思えないこの石窟のすごさが実感できます。

 
代表的なアングルなので、一応記念撮影。

 
本殿の裏にも柱廊が並んでいて、その壁にはシヴァ神や様々な神々が彫られています。

 

 
柱廊から見た本殿。

 
死神カーラを殺すシヴァ神。死神カーラが少年(マールカンデーヤ)の魂を縛ろうとした時、シヴァがリンガより姿を現わし、カーラを倒し、少年に永遠の生命を与えたという逸話です。

 
象の魔神を退治するシヴァ。怒れるシヴァ神などとも呼ばれます。

 
これにてエローラ石窟群の見学は終了。結局ヒンドゥー教窟はこのカイラーサ・ナータ寺院のみで21窟や29窟も見れませんでした。それでも2時間以上の時間を費やしています。もう1時間あったら大分違ったのですが。

人々を撮る余裕も殆どなかったので、帰りに少々。

この後はアウランガーバードに戻り、最後のビービー・カー・マクバラを観光して帰国の途につきます。
 

■2018年3月23日(金) 晴れ

07:00 朝食(バイキング)
08:00 荷物だし
08:57 ホテル出る
09:35 ダウラターバード
09:53 エローラ着
10:00 ジャイナ教窟行きバスへ
10:14 ジャイナ教窟
10:40 バスへ
10:50 入り口戻り
10:53 仏教窟(10窟)
11:07 12窟
11:30 カイラーサナータ寺院(16窟)
11:45 自由行動
12:17 昼食
12:50 発
13:37 ビービー・カー・マクバラー着


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