仏教説話

2018/04/29


マハージャナカ王本生物語

ヴィデーハ国では王位継承で争いがあり、の方が兄王を攻め殺して新王となり、そのため身重であった兄王の妃が遠くに亡命し、そこで生まれたのがマハージャナカ(菩薩)であった。

成長して母から父の死の経緯を聞き、国の奪回を志して勉学に励むとともに、奪回のための資金を得ようとして大海に船出する。しかし船が途中で難破し、幌柱に登るが無駄で、ついに海に飛び込んで漂流する。海難を見張る役のマニメーカラという天女に救われ、ヴィデーハ国の首都ミティラーに送り届けられる。その間に国王(弟)は世子なくして死去する。

話変わって、その国王のひとり娘シーヴァリー姫は、亡き父王から伏蔵(地中に埋め隠した宝物)を探し出すとなる詩句や、婿となるべき人物の具える条件を遺言されていたので、臣下の人々と相談し、伏蔵や婿探しのために、白馬4頭の引く如意行車(華車)を放す。その行くままにしておくと、馬車は王園の中に入って行き、そこの平たい石の上に横たわる青年、成長したマハージャナカの前で止まる。青年は前の王が残しておいた謎のすべてを解決し、姫の婿となる条件にもかなって、国王として迎えられる。国の人々は祝福をしてお祭り騒ぎである。

新王は正しく国を治め、はがてシーヴァリーとの間に一子ディーガーヴが生まれ、長じてこれを副王とする。

その後マハージャナカは俗事を厭い出家を思うようになって、王宮内に閉じこもり、しばらくは出家沙門の行を修するなどする。そこには繁栄している首都ミティラーの美しさや人々を讃える王の長い詩句が続いたのち、王はこの町や王宮を捨てて出家を敢行し、後を慕ってついてくる王妃以下大勢の人々を引き帰らせ、ひとりヒマラヤの山中に消えていったという。


カリヤーナカーリン王子本生物語

ヴァラナシの国王には二人の王子があり、兄をカリヤーナカーリン(善事)、弟をパーパカーリン(悪事)といったが、兄は布施を好み国内から貧困をなくするのに必要な財宝を得ようとし、弟もこれに協力して船を大海に乗り出す。福徳あるカリヤーナカーリン王子のおかげで無事に宝の島に到着し、種々の宝を多量に得て帰途につく。

ところが途中で船が難破し、乗り組みの人達はみな漂没するが、兄弟二人だけが助かって自国の海岸にたどり着く。疲れ果てて海岸で眠っている間に、弟のパーパカーリンが兄の両眼を刺でつぶし盲目にしてしまう。

牧牛人がそこを通りかかり、哀れんでその家に連れてくるが、牧牛人の欲情を起こし、その盲人にいどみかかって拒絶され、そこで妻は夫に嘘をいって盲人を追い出させる。

をよくする盲人は、琴を弾きながら諸所を巡って、先に婚姻の約束をしていた王女の国の都にやってくる。ときにその都では美しい王女の婿選びが行われていて、王女が侍女たち多数を従えて通りかかる。盲目の王子は道の傍らに避けて立ち、を弾いていると、その琴の音を聞きつけた王女は直ちにそれが許婚の王子であることに気づく。

父王や人々の怪しむ中で、王女の「真実語」の誓いによって王子の盲目は奇跡的に治る。こうして王子は自国に帰り、王になっていたパーパカーリンを追い出して、王位についたという。

この後、俗事を厭い出家に進む話はマハージャナカ王本生と同じです。


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