私のオーディオ歴

2018/11/11


音楽への目覚め

ついでなので私のオーディオ歴を簡単に紹介しておきます。と言っても歴というほどのことはなく、内容もオーディオ初心者のまま終わった感じなので、全然大したことはありません。

私が音楽に目覚めたのは中学に入った頃だと申し上げました。特に早くもなく、遅い方でもないかと思います。その頃はソースはアナログレコード。レコードレンタルなどはなかったので、自分でアルバムを買うか、人から借りて聴く他ありません。金のない私はもっぱら友人から借りたレコードをせっせとカセットテープに録音していました。当時の聴いていたジャンルはロックフォークソング。ロックといってももっぱらビートルズ。フォークは井上陽水かぐや姫などでした。

この頃に私の最初のオーディオへの目覚めがちょっとだけありました。全く詳細は覚えていないのですが、AIWAかどこかのカセットデッキを買ったように思います。

[1970年代後半当時のカセットデッキ]

上の写真は当時実際私が使っていたものではありませんが、こんな感じのものだったと記憶しています。再生ボタンなどがピアノタッチだったり、メーターがだったり、トグルスイッチが使われているなどが時代を感じさせます。

レコード・プレイヤーやアンプなどは全く記憶にありません。その少し前かと思いますが、OTTOブランド(サンヨー電気のオーディオブランド)のステレオが我が家にあったことをはっきりと覚えていますが、中学時代にもこれを使っていたのかは記憶にありません。

当時から少し音には拘りがあったようで、テープは必ずクロームテープを使っていました。高音がノーマルテープよりも出ると信じていたからです。

しかしその後その音への拘りが発展していくことはありませんでした。オーディオ界もミニコンポウォークマンなど簡易化大衆化しており、そのようなもので満足していました。後述するように既にCDが登場していた1984年でも下の写真(いい写真がネットでどうしても見つからず汚くて恐縮ですが)のようなミニコンポを買って使ってました。

[1984年購入のミニコンポ AKAI Property]

聴く音楽のジャンルも大して変わることなく、時代はすでにニュー・ミュージックの時代になってましたが、相変わらずフォークを聴いているといった始末です。


本格オーディオへ

その状況が一変するのが、CDの登場です。と言っても1982年のCD登場時は全く知らず、それから4年もたった1986年、その頃知り合った友人にかなりのオーディオ・マニアが2人ほどいて、CDの凄さ、オーディオの面白さを彼らから叩き込まれたのです。

事実私もCDの音の素晴らしさ、そして使い勝手の良さに感激し、あっと言う間にその虜になりました。そしてCDの音をより良く聴くため、アンプ、スピーカなども含め本格的オーディオコンポーネントを揃えることになったのです。CDの登場で当時(1980年代)は第二次オーディオブームと呼ばれるオーディオ市場が活況な時期でもありました。いわば流行にのった感じでした。

コンポはアンプ(プリメインアンプ)でいうと5,6万円のものが所謂入門機中の入門機、初級クラスとてでもいいましょうか。ただこのクラスはあまり人気がなく、その上の8万円前後中堅機として一番の売れ筋でした。各オーディオメーカーも最も力を入れていたクラスなので、コストパフォーマンスが一番高く、実際はこのクラスから入る人が多く、事実上の入門クラスでした。

その上の10万円代前半のクラスはちょっと中途半端で、中堅機を卒業した人は次は20万円クラスにジャンプアップしていたと思います。そのためこのクラスが高級機と呼ばれていました。

実際は各クラスで更に1万円単位くらいで細分化していますが、ものによってはそれぞれのクラスに売れ筋価格帯がありました。つまりアンプで中堅機というと7万円から10万円未満ですが、その中の79,800円という価格帯が更にこのクラスの一番の売れ筋だったということです。

そして高級機クラスを超えるともう超マニアのクラスで、ある意味価格は天井知らず。アンプもプリ・アンプメイン(パワー)・アンプが分かれたセパレート・アンプになり、さらにパワーアンプは左右チャンネル独立のモノ・アンプでした。これらをアキュフェーズの最高級機で揃えるとアンプだけで200万円もしました。

このような夢のようなクラスは憧れに過ぎず、まずは私も多くの人がそうしたように中堅機から入りました。まずはアンプから。

当時、アンプは79,800円クラスが売れ筋中堅機中の更に売れ筋価格帯と説明しましたが、秋葉原でも店員が一番勧めていたので、それに従って購入したのだと思います。KENWOODKA-990Vというプリメインアンプで当時このクラスのベストバイコンポに選ばれていました。

[プリメインアンプ KENWOOD KA-990V]

買値は恐らく7万円くらいで買ったでしょうか。なかなか重厚感もあって、KENWOODらしいカチッとした音を聴かせてくれました。当時流行っていたCDダイレクトという入力ポジションがありました。これは元々素晴らしい音質のCDプレーヤからの音源をアンプであまり加工せず(アンプ内の回路をあまり通さず)、できるだけダイレクトにスピーカに伝達するポジションです。

そして合わせて購入したのがCDプレーヤです。中堅機のやや下のクラスは6万円前後。やはり店員に勧められてSONYCDP-55(定価59,800円)を購入しました。

[CDプレーヤ SONY CDP-55]

そして録音機としては、前述したPCMプロセッサーSONY PCM-501ES(定価99,800円)を購入しました。実際の記録(録音)に使うビデオデッキは既に持っていました。PCMプロセッサーは殆ど売れてなかったので、他の製品のようにクラス分けが殆ど無くて、メーカーも当時はSONYくらいかし出してなかったので、殆ど選択肢はありませんでした。

[SONYのPCMプロセッサー PCM-501ES]

ここまで購入したら、もう予算が尽きかかってしまいました。そのため最後のスピーカミニコンポ用の安物で済ませてしまったのです。以前使っていたAKAIのミニコンポのものを流用した訳ではありませんが、少なくとも本格コンポ用のものではありませんでした。本格コンポだと中堅機では1台6万円前後。左右で12万円になる訳ですが、もうこんな金はありませんでした。ここまででトータル定価で24万円。恐らく買値でも20万円近くかかってます。買値で更に10万円はもう無かったんですよね。初級機すら買う金がなく、正確には覚えていませんが、恐らく左右セットで3,4万円程度のものを購入したのだと思います。

まあそれでも当初は十分満足していました。CDの素晴らしさ、PCMプロセッサーの音の良さは今回のシステムでもこれまでのオールミニコンポとは次元の違う音を提供してくれたのです。

そしてこのいい音を聴きたくて、音楽ジャンルも問わず当時の流行をどんどん追いかけはじめました。


しかし不満が。。

しかしやはり買ってから早い段階で早速不満がでてきてしまいました。というのは前述のように製品は全部秋葉原の店員の薦めに従って買っていました。これ自体は大きな問題ではありません。彼らも勿論プロなので決して変なものは薦めないからです。

そもそも店員の薦めでないと買えないという私の問題です。まだオーディオについてからっきし素人で、各製品の良し悪しは勿論、どのクラスくらいがどの程度に人間に向いているのかも全く分かってなかったです。前述したクラス分けの知識は後になって知ったことで購入当初は全く知りませんでした。

その後オーディオ雑誌などを読み漁るようになり、どんどんオーディオのことが分かってくると購入した製品のことも分かってきて、他製品との比較もできるようになり不満がでてきてしまったのです。

最初はやはり金がなくてミニコンポ用で済ませたスピーカーですね。アンプもCDプレーヤも録音機も、本格コンポの中堅クラスのもので揃えたのに、最後に音をだすスピーカーがミニコンポのものでは貧弱過ぎてアンプやプレーヤーの良さが全く阻害されてしまうことが分かったのです。

結局この後、金をためて半年後くらいに本格コンポの中堅機クラスの売れ筋価格帯1台6万円前後の製品を購入しました。ONKYOD-77Xというスピーカで、定価1台59,800円です。

[ONKYO D-77X]

当時、最も売れ筋だったこのクラスのスピーカーは性能競争の一つとして、盛んに重量競争をしていました。スピーカーは重い方が低音もでるし、音がしっかりするといった重量神話のようなものがあったのです。どこかのメーカーが28kgで出すと、すぐさまライバルメーカーが30kgで出すなど熾烈な重量競争を繰り広げていました。この製品はそれに終止符を打つべく、34kgで登場したのです。ここでさすがにこの競争も頭打ちということで私は重量競争に勝利したこの製品を満足気に購入しました。

これでプレーヤからスピーカーまで全ての製品が本格コンポで揃った訳ですが、確かにスピーカーの違いははっきりと分かりました。本当にこのクラスでしっかり揃えて良かったと思えました。

しかし不満はこれでも解消しませんでした。次はCDプレーヤです。購入したSONYの製品は発売当初はベストバイだったようですし、まだ発売から数か月しかたっていませんでした。ただ当時CDプレーヤはもの凄い勢いで進化している時だったので、数か月で陳腐化する傾向にありました。

進化すると言っても私の耳ではその音質の違いは分からなかったのですが、機能面の進化が気になっていました。特に気になったのが、SONYの新製品も含めこの頃には本体テンキーが付くのが増えていたことです。テンキーはCDの各トラックの曲をダイレクトに選択できます。リモコンには前からテンキーはあったので、リモコンを使えばできることなのですが、何気に本体にもあると便利な場面が私の場合多かったのです。

また当時最先端のデジタル機器であるCDプレーヤは極めて多機能で、製品間の差も大きかったです。そのため前述したアンプやスピーカーのように入門機、中堅機、高級機のそれぞれに売れ筋価格帯というのはなく、6万円台クラス、7万円台クラスといった一万円単位の各クラスで特徴を出していました。そのため非常に選択肢が多く、製品選びは悩ましかったのです。実は前述の本体テンキーも私が購入した時期でも1クラス上の製品ならついていたものもありました。

当時何もわからなかった私は、こうした製品選びを吟味することなく、店員の薦められるままに購入していたことが、とても残念だったことが段々と分かってきてしまった訳です。

とは言っても6万円ほど出したCDプレーヤを1年も使わずに特に音質に不満がある訳でもないのに、おいそれと買い替える訳にもいきません。前述のようにスピーカーも無理して買ってしまい、実際資金もありません。ここは我慢するしかありませんでした。

しかしそんな頃、DENONからDCD-1300という名機が発売されます。各オーディオ雑誌では、どの評論家も絶賛しており、人気ランキングでも圧倒的トップを独走していました。勿論本体テンキーはついます。この頃高級機から採用されはじめたオーバーサンプリングデジタルフィルターを中堅機でいち早く採用するなど音質に影響する分かりやすいカタログスペックも魅力でした。価格は定価69,800円だったので、7万円クラスということで私のSONY CDプレーヤより1クラス上な訳ですが、当時の8万円クラス、9万円クラスと比べても抜きんでた製品として、雑誌を賑わしていました。

[CDプレーヤの名機 DENON DCD-1300]

これにはさすがに触手が動きました。結局どのように資金繰りをしたのかは覚えていないのですが、買い替えてしまったのです。たぶん前のSONYのやつは、その後うちにあった記憶がないので売ることができたのかもしれません。当時はネットオークションなどはないので、大した金額では売れなかったでしょうが。

こうして不満は基本的に解消し、私のオーディオ・ライフが本格的に始動したと言えます。

ただ完全に不満が残ってなかった訳ではないので、一つ申して上げておきます。それはアンプです。私のアンプはKENWOODのKA-990Vだったことは述べました。発売時にベストバイに選ばれ、購入時もそれほど時間は経ってませんでした。しかし少し遅れて発売されて、かなり高評価を得ていた同クラス(8万円台)のSONY TA-F333ESXというアンプがありました。

[ちょっと羨ましかったプリメインアンプ SONY TA-F330ESX]

元々テープレコーダやCDプレーヤーなど走行メカのあるものを得意としていたSONYはまだアンプの世界では高評価は得ていませんでした。しかしこの製品はSONY渾身の力作ということで高い評価を得て、SONYのアンプここにありと初めて世間に認めさせた最初の名機だったのです。サイドウッドもあり8万円クラスとは思えない高級感がありました。そのためか重量もKA-990Vよりはずっと重かったです。スピーカーほどではないですが、アンプもある程度重量が評価対象だったので一つのポイントでした。

また機能面でも一ついい点がありました。それはREC OUTの選択が柔軟だったことです。KA-990Vは今選択しているソース(CDかチューナーかレコードかテープ)からのダビングか、テープtoテープのダビングの選択しかできなかったので、例えばCDからカセットテープに録音中は、CD以外(PCMやチューナーやレコード)を聴くことができませんでした。しかしSONYの当該アンプはソース選択とREC OUTが完全独立だったので、何から何を録音中だろうが、どれでも聴いていることができました。実際チューナーやレコードを聴くことは殆どなかったのですが、CDからカセットテープに録音中にPCMを聴きたいと思う場面はあったので、この機能はちょっと羨ましかったです。

あとちょっと悔しかったのは私の購入時もこのアンプは既に発売されていたことでした。しかし前述のようにSONYのアンプということでまだ評価が確立していなかった微妙な時期だったかと思います。店員も確かこのアンプのこともちょっと言及していたような記憶もあるのですが、まだ全面的にお薦めするという段階まで来てなかったのかなと思います。もう一月ほど後の購入だったら、これを薦められたのかなと思うとちょっと残念に思った訳です。

とは言っても、前述の機能差は大したことではなかったし、音質面の評価でもKA-990VよりもTA-F333ESXの方がすごく高かった訳ではありません。あのSONYがよく出したという点で話題になっていた感が強く、絶対評価として圧倒的だったという訳ではありません。

それにアンプの評価は個人の好みによって全然分かれるという性質が強く、KENWOODのカチッとした音は明らかに私好みだったのです。ヤマハやサンスイは柔らかめで多分私の好みではないでしょう。SONYのこのアンプがどっち方面の音質だったかはあまり覚えていませんが、その後のSONY製品の評価からするとKENWOODよりは若干柔らかめだったのではないかと思います。

ということで私のアンプの選択は決して間違ってはなかったと思っていたので、隣の芝生は青いではないですが、何となくあっちの方がいいなと思いつつも、CDの時のように買い替えまでに至ることはありませんでした。もし交換してくれる人がいたらしてたかもしれませんが。


暫くして

さてお気に入りのコンポも揃い、充実したオーディオ・ライフを楽しんでいた訳ですが、1年ほど経った1987年秋頃、金も少し溜まり始めて、ちょっとグレードアップの欲が出てきました。しかし既存のコンポーネントには基本的に不満はなかったので、まだレベルアップするには時期尚早と思っていました。

そこで浮上してきたのがまだ本格的コンポではなかったカセットデッキです。これまでもカセットデッキはキーワードとして出てきたのに何の説明もしてなかったのに気が付いた方もいるかもしれません。実はカセットデッキは前出のAKAIのミニコンポPropertyのものを依然流用していました。実はチューナーレコードプレーヤもしかりです。これらは殆ど使わないか、大した用途に使ってなかったので、本格コンポとして揃える必要がないと思っていたからです。

録音機としては最強のPCMプロセッサーを持っていたので、カセットデッキを本格コンポ化する必要性は低かったです。それでも当時すでに一世を風靡していたウォークマンなんかも持ってましたし、カセットテープを聴く需要がなかった訳ではありません。車はカーステなどはありませんでしたが、ラジカセを持ち込んで聴いてました。

ただこの程度の聴取環境なので、それほど高音質を求めてなかった訳です。それにミニコンポとは言え一応独立したカセットデッキなので、ラジカセほどひどい録音ではありませんでした。

ただひとつの変化として、当時の私の職場自由に音楽を聴ける環境になりました。主にデスクワークで個別の空間が持てたので、勿論大音量ではないですがBGM的な感じで自分の好きな音楽をかけて聴くことができるようになったのです。当然できるだけいい音で聴きたいと思うようになり、職場にミニコンポを持ってきて、自宅には本格コンポのカセットデッキを導入したくなってきたのです。

そろそろ何か欲しいなと思っていましたが、具体的な動機が無かった訳ですが、そこに舞い込んだ体のいい口実という訳ですね。

さていい口実もできて、楽しい製品選びです。この頃はオーディオについても相当詳しくなっていましたから、どういう点を比較、検討すればいいかも分かっていました。とは言ってもカセットデッキもピンキリでした。中には30万円もするものがあるということは以前も話したかと思います。

今回の用途を考えても聴く環境は精々ミニコンポ。基本的な録再はPCMプロセッサーですから、録音環境としては、あくまでサブ環境。中堅クラスで十分なのは明らかです。しかし当時このクラスのカセットデッキも活況を呈しており、各メーカーが凌ぎを削っていましたから、いい製品が目白押しで目移りしました。

用途からすると再生をすることはあまり念頭になく、しっかり録音できることが肝要です。そのため再生に便利なオートリバース機能などは全く必要ありません。当然ワンウェイ3ヘッドクローズドループ・デュアル・キャプスタンの走行系も必須機能の一つ。

各社凌ぎを削っていると言いましたが、やはり老舗のSONYAKAIが少し頭出ていた感じを私はもっていました。そのため当初はSONYの製品を考えていました。

[カセットデッキ SONY TC-K333ESX]

このカセットデッキはこれまでのものと違い、カセットテープを中央に配置するミッドシップドライブ・システムを採用するなど斬新的で高い評価を受けていました。当然3ヘッドでクローズドループ・デュアル・キャプスタンです。また型番を見てもらうと分かる通り、私が欲しかったアンプの姉妹品のようなものだったのも個人的にはポイントでした。

しかしそんな頃、ビクターから力作が登場したのです。TD-V711という製品です。雑誌の評価はぐっとこの製品に流れました。ビクターもオーディオメーカーとしては老舗。カセットデッキもずっと作ってきたところなので、特に違和感もなく、雑誌等の高評価を得て、この製品を購入しました。やはりカセットデッキの一番売れ筋価格帯、定価85,000円でした。

[カセットデッキ VICTOR TD-V711]

機能的には抜きんでたものはなく、カセットの配置もオーソドックスな左配置。しかし当然3ヘッドなどの高音質カセットデッキの要件は全て備えており、すごい重厚感が気に入りました。何か見てるだけでいい音で録音してくれそうと期待ができます。

事実いい音でしたね。基本的に再生にはあまり使わなかった訳ですが、メタルテープで録再したものなどはPCMとの違いがあまり分かりませんでした。カセットテープもよくここまで進化したなと感心したものです。


その後、そして終焉

一通りのコンポーネントを中堅機で揃えた訳で、その音の素晴らしさには十分満足していました。しかし一方で前述の超マニアな世界にも憧れていました。当時のオーディオ雑誌にアキュフェーズの社長だった春日二郎氏の自宅システムが紹介されていました。何とスピーカーは5ウェイ。それも5つのユニットが全部が別筐体(エンクロージャー)。更に驚いたのは、それぞれをアキュフェーズの最高級モノ・アンプ(定価65万円)で駆動していたのです。

[当時のアキュフェーズ最高峰のモノラル・アンプ M-1000]

つまり65万円ものアンプを左右で10個も使っていたということです。プリ・アンプも勿論アキュフェーズの最高級品(定価70万円)でCDプレーヤも渾身のセパレートタイプを発売していたので、当然こちらの採用。

[当時絶賛されたいたアキュフェーズのセパレートCDプレーヤー]

こんな世界にものすごく憧れていたものの、しかし肝心の私の耳がそこまで成長していませんでした。実は私には中堅クラスのコンポの音と超マニアクラスの音の違いが全然分からなかったのです。

例えば、音の良し悪しを数値的に測る周波数特定やダイナミックレンジ、SN比などは中堅クラスのコンポーネントでも十分でした。また音の解像度や、定位、プレゼンスといった定性的、感覚的なものも普通に聴いていたら全く不満はなく、少なくともラジカセ程度は勿論、ミニコンポと比べても次元が違っていました。さすがに売れ筋製品だと思います。

従ってこれを超えるともう匠の世界とでもいいましょうか、もはや数値では測れない世界に突入していました。残念ながら私にはこの世界を聴き分ける耳を持っていませんでした。

またこのような世界は、機器を買いそろえるだけではなく、部屋もそれなりでないといけません。超マニアなどは大音量で聴くために専用の地下室を作っている場合もありました。最低でもオーディオ専用部屋は必要です。当時賃貸暮らしの私はこれも夢のまた夢。

そのためなかなかレベルアップする気になりませんでした。違いが分からないのに単なる自己満足で何十万円も投資できないですよね。

そのうちアメリカ留学。そして帰国後結婚となると、そもそも自宅で音楽を大音量で聴くことなどほぼ皆無になってしまいます。精々BGM的にイージーリスニングする程度。最早オーディオ・システムをアップグレードする動機など全くなく、システムに火を入れる時間すら殆ど無くなる始末です。そのためその後10数年塩漬け状態でした。

それでも2002年に一戸建てを購入し、オーディオ専用ルームができたので、約15年ぶりにオーディオ熱復活かと思ったのですが、しばらくバイクに再びのめり込んでいるうちに子供ができて、それも頓挫。そんなことをしているうちに2007年には両親と同居となり、最早重厚なオーディオ・システムなど部屋の邪魔ものでしかなく、結局全て破棄してしまいました。

やがて両親が他界し、子供が独立したらまた復活することを夢見ています。


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