ZX-14R 外付けヘルメット・ロックのワンキー化

2014/6/28


さていよいよヘルメット・ロックのキーのワンキー化ですが、不器用な私でも、途中見失った部品を探す時間も含めて1時間半でできました。言わばやり方さえ分かれば極めて簡単な作業だということです。

まず必要なものを記載します。赤色は絶対必要で代替ができないものです。

  1. ヘルメット・ロック・アッシー
    3692円 今回の改造部品
     
  2. ZX-14Rのマスターキー
    シアラインを出す為には必須!!
     
  3. ピンセット
    小さな部品を取り扱うので通常は必須ですが、指で細かいものを扱う自信があるならいらないかも。
     
  4. サンドペーパー
    ♯240: タンブラー削り用 ♯400: バリ取り用
    ホームセンターでそれぞれA4版が80円程度
     
  5. プラスドライバー
    本体底のネジを取る
     
  6. マイナス精密ドライバー
    シリンダーを本体から外す時に必要
    先が細い尖ったものなら代用可能
     
  7. マイナストライバー
    逆にシリンダーを本体に取りつけるときにあった方がいい
     
  8. 小皿
    超小さいスプリングを置いておくもの
     
  9. グリス
    もともとグリスが塗られているが、作業していくなかでかなり取れてしまうので補充のため。
     
  10. 油性マジック
    タンブラを区別するため番号を書く。できるだけ細い方がいい。
使った主な道具。

ピンセットは無くてもなんとかなる人もいるかもしれませんが、普通はきついですよ。不器用な私には必須でした。

また最初に作業概要を示します。

  1. 本体からシリンダーを取り出す。
     
  2. マスターキーをシリンダーに指して現状のはみ出し状況の確認
     
  3. シリンダーからディスクタンブラとスプリングを外す
     
  4. ディスクタンブラと穴の全組み合わせを試す
     
  5. 最もタンブラの加工が少なくて済む組み合わせを選択
     
  6. 上記選択の結果、加工が必要なタンブラを加工(削る)
     
  7. マスターキーでシアラインを確認
     
  8. シリンダーを本体に取り付ける

では、実際に画像(写真)を見ながら説明していきましょう。尚、画像は全てクリックすると4倍に拡大するので、細くて見えにくい部分は適宜拡大して確認して下さい。

まずはヘルメット・ロック本体の底板を外します。

ボルトで2箇所止まっているだけなので、プラスドライバーで外します。

外した状態は以下のようになります。





大きなラッチが見えます。

そのラッチに板バネが付いています。真ん中の写真の方が板バネの様子がよく分かるでしょう。

これをマイナスドライバーを補助に使って外します。

下の写真が板バネを外した状態です。

因みに私はこの板バネを外す際、ポーンとどこかに飛ばしてしまいました。部屋が元々整理されていない状態なので、結構探すのに苦労しました。

こんな小さな部品一つでは注文できませんが、この部品がないと機能しませんので、絶対になくさないよう注意して下さい。

次はラッチはずしです。



ラッチはそのまま、指で摘んで、すぅっと上に抜けます。

ラッチを外すとシリンダーが見えてきます。

次にこのシリンダーを外します。



写真の矢印のところに銅製タンブラがあり、これがひっかかってシリンダーを止めているので、このタンブラをシリンダーの内側方向(写真だと左方)に精密なマイナスドライバーを使って、押してあげます。

するとシリンダーを留めているものがなくなるので、写真でいうと奥にシリンダーを押すと、スポンと抜けます。

下の写真がシリンダーを抜いた状態です。

 





シリンダーを横から見たところです。

ディスクタンブラと呼ばれる真鋳の部品が5つありますが、この時点ではバネによって、皆上にはみ出しています。

シリンダーは円柱のもので特に上下がある訳ではありませんが、今後説明の便宜上、バネによってはみ出す方向を、その逆をと呼ぶので覚えておいて下さい。

尚、先ほどシリンダーを本体から外す時に押した銅製タンブラは今回何もしません。


これからシアラインを出すという多少根気のいる作業になっていきます。まず必要な作業ではないですが、説明のためにこのヘルメット・ロックのオリジナルキーを挿した状態を見てみましょう。

上下とも全くはみ出しがありません。綺麗にラインが揃ってます。これをシアラインといいます。

バイクのマスターキーでもこうなることを目指す訳です。

尚、後述しますが、凹みは無視です。

では早速シリンダーにマスターキーを指します。オリジナルキーと間違わないようにして下さい。オリジナルキーは今後一切必要なくなるので、捨ててしまってもいいです。

当然のごとくディスクタンブラはあちこちではみ出しており、これではこのマスターキーで開錠できないことが分かります。

便宜上、ディスクタンブラ、及びディスクタンブラが刺さっている穴については、キー差込口から数えた番号をつけることにします。

A、B、Dのディスクタンブラーがにはみ出していて、上は凹んでいるものもあります。

しかし凹みは無視します。シリンダー錠の仕組みを考えると当然ですが、はみ出したディスクタンブラーが引っかかって、開錠を阻止している訳で、凹みは開錠の可不可とは関係ないからです。

ではディスクタンブラを外していきます。



ここからはピンセットが活躍してくれます。

またディスクタンブラは個々の形が違っていて、その違いは極めて重要なので、個々を特定できるようにしておく必要があります。一方違っているとは言え、パッと見た形は似ているので記憶するのは厳しいです。

やはり油性マジックで元の位置の番号を書いて、一目で区別できるようにしておいた方が便利です。

私は下の写真のように書きました。

次にスプリングも外します。

板バネの紛失事件があったので、こちらはかなり慎重に行いました。板バネ以上に小さいので、どこかに飛んでいってしまったら、部屋のちらかり具合にもよると思いますが、探すのは至難の業かと。

外した後、スプリングは最後の組立てまで使わないので、用意した小皿にしまっておいて下さい。

ディスクタンブラと違って、全部全く同じものなので、特に個々を特定する必要もありません。

これから全てのディスクタンブラと全ての穴の組み合わせでマスタキーを指した場合のディスクタンブラのはみ出し状況を調査します。

これはあるディスクタンブラを1番穴に挿して確認している状態です。

評価項目ははみ出す方向(上か下か)とはみ出し量です。はみ出し量は何ミリとかまで測る必要はありませんが、大きいか小さいかくらいは確認したいです。

いずれの方向にもはみ出しがない(または凹みの)場合は、合致(○)という判定になります。

この写真の場合、下に少々はみ出しと評価します。

5個のディスクタンブラと5個の穴の組み合わせですから、25通りある訳ですが、これを全部試します。

これが組み合わせ評価を書き留めたものです。

しかしこの表はいくつか不備があるので、内容は無視して下さい。

しかしこの時に注意が必要です。ディスクタンブラと穴の組み合わせによっては、ディスクタンブラが上下に遊びがある場合があります。この場合ディスクタンブラをに押し上げて評価して下さい。なぜならディスクタンブラはバネによって上に押し上げられた状態が正常状態だからです。最初私はこれに気が付きませんでした。前述の写真の書き留め表で「下0.1」と書いてあるのは、上に押し上げていないためで、実はこれは合致(○)だったのです。

結果として組み合わせ評価は以下のようになりました。縦軸がディスクタンブラで横軸が穴です。

組み合わせ評価表
  1 2 3 4 5
1 下小 下大 下小 下大
2 下小 下大 下小 下大
3 下小 下大
4 下小
5 下小

今回上はみ出しは一つもありませんでした。またかなり偏っているという特徴があります。4番と5番のディスクタンブラは多くの穴で合致するのに、1番と2番のディスクタンブラが合致したのは穴1だけでした。結局採用は以下としました。黄色セルが採用した組み合わせです。

採用パターン
  1 2 3 4 5
1 下小 下大 下小 下大
2 下小 下大 下小 下大
3 下小 下大
4 下小
5 下小

つまり3番と4番のディスクタンブラを交換し、その以外は場所は元のままで、2番と5番は下はみ出しを削るという決定です。

しかし実は後になって、以下のような組み合わせもあったと気が付きました。

後で気づいたパターン
  1 2 3 4 5
1 下小 下大 下小 下大
2 下小 下大 下小 下大
3 下小 下大
4 下小
5 下小

3番4番の交換は同じですが、2番と5番も交換して、5番を削る。私の採用した組み合わせと比べると削るのが5番ディスクタンブラだけですみます。もっとも採用したものは2番と5番を削ると言っても、それぞれ小であって、この組み合わせの場合5番ははみ出し大です。削る量そのものはあまり変わりが無かったかもしれません。

しかしこの後で気づいたパターンの方が優れていたのです。それはなぜでしょうか。

そもそもこんなに面倒な組み合わせ調査を行うのはなぜでしょう。例えばこんなことしないで、最初にマスターキーを指した時点ではみ出しは2番と3番と5番でしたから、この3つを削ってしまってもよかった訳です。勿論削る作業が決して楽ではないので、それをできるだけ減らしたいという点もありますが、それ以外にもある理由があります。

それは、削ったディスクタンブラーは、多くの鍵パターンへの適合性が高まってしまいます。つまり削るディスクタンブラーの数が多ければ多いほど、たまたま合致するキーが現れる確率が高まるのです。だからできるだけディスクタンブラーを削らないで済むようにした方が好ましいのです。できれば組み替えだけで済めばベストです。

言わば盗難リスクを高めないようにするということで、実際問題となるようなことは殆どないでしょうが、安全に倒すに越したことはありません。

これは後で近所のバイク屋に聞いた話ですが、バイク屋の場合、部品を沢山持っているので、殆ど組み換えだけでワンキー化をやってしまうと言ってました。

まあいずれにしても、後の祭りだったので、採用バターンで進めました。

採用パターンでマスターキーを挿したところです。

2番と5番が下に少々はみ出しています。これを削っていく訳です。

ここも結構根気がいります。ただ削りすぎても大丈夫なので、気は楽ではあります。

ディスクタンブラ削りに使ったサンドペーパーです。

#240が本削りのために使っています。A4のサンドペーパーを買ってきましたが、その1/10くらしか使いません。

#400は仕上げのバリ取りです。バリが残っていると鍵がスムースに回らないそうです。

 

はみ出しを削って、シアラインを揃えたところです。

これでこのマスターキーで開錠できるようになったはずです。

最後に分解の逆を辿って組み立てますが、その前に全体的にグリスを塗ります。まあこれは適当に。

組立作業は殆どは分解より簡単ですが、シリンダー挿入は多少手こずると思います。

はみ出たディスクタンブラを押さえつつ、本体に挿入するのが意外とうまくできません。

まずキーを挿すことによって、真鋳のディスクタンブラは凹みます。後は写真のように銅製タンブラをマイナスドライバで凹ませながら挿入していきます。

組立後、マスターキーでの開錠テストです。



ところが、あれ? 回らない。というがちょっとだけ回るけど、ちゃんと回らない。

これは慌てました。一体どういうことなのか。もう一度分解して、シアラインを確認しましたが、綺麗に揃ってます。

実はこれは「回っていた」のです。写真を見て下さい。上がキーを挿しただけ。下がめいっぱい回した状態です。

私は家の玄関の鍵やバイクのメインスイッチをイメージしていたため、90度くらいまで回ると思っていました。

しかしこのキーは元々写真のように20度くらいまでしか回らず、それで開錠するようになっているのです。20度くらいまでしか回らないので、回ってないと勘違いしてしまったのです。

やれやれ。

これで一応ワンキー化は完了で〜す!

後はこれをバイクに取り付けて全て完了となります。


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